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イアペトゥス (Saturn VIII Iapetus) は、土星の第8衛星。1671年10月25日にフランスの天文学者ジョヴァンニ・カッシーニが発見した。日本語ではイアペタス、ヤペタス、イアペトスなどの表記もある。 土星から約356万キロ離れたところを79日ほどで公転しており、軌道傾斜角が15.47°と他の衛星に比べて大きい。地球-月系と同様、イアペトゥスの公転周期と自転周期は同期しており1回公転するごとに1回自転する。平均直径は1436kmで、土星の衛星の中ではタイタン、レアに次ぎ3番目に大きい。密度が1.27と小さいことから主な成分は水の氷であり、一部、岩石が混ざっていると考えられている。 名前はギリシア神話のティーターンの一人で、プロメーテウスやエピメテウスらの父であるイーアペトスに由来する。 2004年12月31日には、無人土星探査機カッシーニがイアペトゥスから17万kmまで接近し、鮮明な写真を撮影している。 == 二面性 == イアペトゥスの特徴は、表面が暗い部分と明るい部分に非常にはっきりと分かれていることである。この明暗の差が非常に大きいため、イアペトゥスは地球に向けている面により、最も明るいときの10.2等から最も暗いときの11.9等まで明るさが大きく変化する。そのためカッシーニは、この星が土星の片側にあるときしか観測することができなかった。この原因についてカッシーニは、イアペトゥスの半分が他の半分よりも暗い色をしているからではないかと正しい推測をした。 この地帯は、カッシーニの名を取りカッシーニ地域 (Cassini Regio) と命名されており、明るい地帯はロンスヴォー大陸(Roncevaux Terra、ローランの歌の決戦地ロンスヴォー峠にちなむ)と命名されている。 カッシーニ地域の暗い部分を形成する物質の由来については2つの説が存在する。1つは別の土星の衛星フェーベから飛来したという説で、もう1つはイアペトゥスの内部から噴き出したという説である。2009年に、スピッツァー宇宙望遠鏡の赤外線観測によって、フェーベに由来する粒子が土星の周りに希薄で広大なリングを形成していることが発見され、フェーベ由来説を支持する証拠となった。この粒子は、母天体のフェーベと同様に土星の周りを逆行公転しており、順行軌道を持つイアペトゥスの、進行方向側の半球に吹き付けていると考えられている。 また、イアペトゥスの二面性は正のフィードバックによって維持・強化されていることが示唆されている。これは「粒子が付着した半球はアルベドが低下して太陽光をより多く吸収するようになり、温度の上昇に伴う氷の気化によりさらなるアルベドの低下が引き起こされる。」「明るい半球や極地方では、氷が固化してアルベドが上昇し、温度が低下してさらなる氷の固化・アルベドの上昇を招く。」というものである。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「イアペトゥス (衛星)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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